2022年に入ってから路上活動、和歌山県太地町で行われているイルカ追い込み漁の調査に参加したり、自分以外のヴィーガン、ベジタリアンの方々とお会いする機会が増えました。
そこで、よく言われる事は
- 「こんな若い子がヴィーガンになってくれて嬉しい」
- 「まだこんなに若いのに」
- 「若者のヴィーガンて少ないよね」
など「若さ」と関係のあることをよく言われます。確かに周りを見ると、自分より若いヴィーガンの方が少ないです。
僕も含めZ世代はデジタルネイティブ(インターネットやパソコン、スマホが当たり前にある時代に生まれた人たち)とも呼ばれいます。
そのため他年代に比べてヴィーガンに関する情報を探す力はあるため、若者のヴィーガン人口が多くてもいいはずですが、現実は真逆です。
その理由は一体、何なのでしょうか?
僕が考える「若者にヴィーガンが少ない理由」は大きく4つあります。
- 家庭環境
- 健康面
- 利便性
- 社会環境
今日はこれら4つのポイントを深掘りしていき、一緒に日本の若者にヴィーガンが少ない理由について考えていきましょう。
若者って何歳から何歳まで?

若者って聞くと何歳ぐらいを思い浮かべますか?
実は、若者を指す具体的な年齢幅はないようです。だから今回は各種法令による子供・若者の年齢区分を参考に、独自で幅を決めたいと思います。
若者とは18〜30歳までを指す。(ここでは)
(法務省;2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げ)
若者って聞くと「これからの時代を背負う若者」「最近の若い奴は・・・」などのセリフが思い浮かびます。
そしてこのような言葉を投げかけられる現場として思い浮かぶのが職場です。
高校を卒業して就職をする人は、周りより一歩早く社会人になり、残りは専門・大学・院を卒業して社会人になります。
だから30歳までに社会で通用する人格へ成長することを見込んで、18〜30歳ぐらいが適年齢だと思います。
冒頭でも取り上げた4つの要因について、若者は密接な関係にあります。ここを読み解くと「なぜ日本の若者にヴィーガンが少ないのか?」が分かってきます。
家庭環境
若者がヴィーガンになるかどうかは、家庭環境が大きく影響します。僕の場合「世界のジェンダー観、歴史、役割」について学んだことをきっかけに、実家にいながら自分で料理をしていました。
そのためヴィーガンになっても、料理ができる状態だったため、何も問題ありませんでした。
しかし僕みたいなケースは稀で、多くの人が親が用意してくれたご飯を食べます。
一般的な若者が自炊する条件として、以下の4つが挙げられます。
進学、就職、同棲、家庭を持つ
番外編として、親がジタリアン/ヴィーガンもしくは、厳格な宗教徒などであれば、生まれた時から菜食が当たり前になっていることもあるでしょう。
そうでない限り、自分1人だけヴィーガンになるのは難しいかもしれません。
実家暮らし
実家暮らしであれば、1日3食用意されていることはきっと当たり前でしょう。
このような状況でいきなり




オレ、ヴィーガンになるから!! もうお肉いらないよ!!



ん?ちょっと何言ってるか分からないわ。
こうなるのは当たり前です。
まずここの疑問を解いてあげるために、説明する義務が生まれます。しかし親は子の言うことを間に受けず話が通じないでしょう。
正直、親にヴィーガンの考えを理解してもらい、行動してもらうことは、国家試験に受かるより難しいと思います。
だからこの時点で多くの若者がダウンするでしょう。
もし、ここでダウンしなくても自分でヴィーガン料理を作らなければならないと考えただけでK.O.負けです。その結果、多くの若者が「実家にいる間は甘えておこう!」となります。
そして、もう一つ決め台詞が
「ヴィーガンになるのは実家を出て、1人暮らしをしてからにしよう!」
でも現実はそう簡単ではありません。
1人暮らし
実家暮らしを抜け出し、1人暮らしを始めて勢い付いた若者はヴィーガンになろうともう一度リングに上がります。
先に言いますが、ここでも何回もダウンを取られK.O.されます。
まず、実家を出て親のありがたみを知り、一晩悲しみに溢れるでしょう。ここでダウン1です。
そして、これまで両親がしてくれていた家事を全て、自分でする事になり実家暮らしより忙しく感じる事でしょう。その中には騒然、料理も入ってきます。
若者はスーパーに行き、「あれも、これも食べられない」と泣き叫んでいる後継が目に浮かびます。ここでダウン2です。
そして、食べられる物をカゴに入れレジに行き、合計金額を見てダウン3です。野菜や豆腐などを買えば安く済みますが、ヴィーガンになりたての頃は代替用品に興味津々ですから金額に驚くことは間違いありません。
そして家に帰り、ヴィーガン料理にチャレンジしたところ「あんなに高いくせに、全然美味しくない」とガッカリしてここでダウン4です。
急に若者は閃きます。自分は料理が下手だから一回食べに言ってみようと考える訳です。
そして、メニューに書いてある金額を見て、ついにK.O.負けです。
残念・・・
1人暮らしをしたから簡単にヴィーガンになれると思ったら大間違いです。
では、ヴィーガンになる若者とそうでない若者の違いは一体なんなのでしょうか?
これについては最後の部分でお伝えします。
健康面



※ここでは18歳から30歳の人たちを「若者」と呼んでいます。
若者の体は非常に元気で、深刻な病気にかかった人は少ないと思います。
また若者の親世代もまだまだ現役で病死することは少なく健康に過ごしていることでしょう。
そのせいあってか「若者」は健康に関心がありません。
自身の健康よりもSNS、三度の飯よりSNSと言った感じでしょうか?
しかし、若者も親になったら普段食べているモノ(者)に対して、意識が変わるはずです。
子供の健康を考えて
自分が親になることを想像した時、こんなことを考えたことはありませんか?
- 「健康に良い物を食べさせたい!」
- 「マクドは食べさせたくない!」
- 「オーガニックを食べさせたい!」
- 「カップラーメンやレトルトは食べさせたくない!」
- 毎日、手作りを食べさせてあげたい
天使のように可愛い我が子に、体に悪い物(者)を食べさせてやろうっなんて絶対に思わないですよね。
でも現実と理想の差はものすごく大きく、逼迫する生活費や利便性を求めるあまりこのような考えはすぐに忘れてしまいます。
現実よりも結果はさらに残酷で、人が「大切さ」を学ぶ時は何かを失った時です。
ここで言えば、家族が病死したり、普段食べているモノ(者)が原因で病気になったりなどが言えるでしょう。
食べているモノ(者)と書いている理由は、生き物は食べ物でないからです。
利便性
今の日本社会は非常に忙しく、騒がしいと思います。
それは海外から見た日本のイメージにも現れており「過労死」(Karoshi)と言う言葉は、英語にもなっています。
こんな現代日本を支える若者が、利便性を求めない訳がありません。
若者が求めるものは「うまい・やすい・はやい」です。
そうなるといくら肉食が体に悪い、農薬は体に悪い、子供にマクドを食べさせたくない、レトルト食品を食べさせたくないと思っても健康を気にしている時間などありません。
こんな切羽詰まった生活を脱出する方法は一つだけです。
「モノを減らす」これだけです。
ミニマリズは家族のメンタル、フィジカル面の健康も改善することができます。
詳しいことはこちら。
ヴィーガン対応を少ない
今の日本でヴィーガンになることは不便であるとしか、いいようのない状況です。
スーパーに行ってもヴィーガン対応を探すだけで一苦労です。そして友人と外食するとなるとさらに不便になるでしょう。
これが東京、京都、大阪などの中心部であれば、問題ないかもしれません。しかし地方となるとかなり不便です。
僕自身、千葉県大多喜町と言う田舎に住んでいたことがありますので、これはよく分かります。
現代人はおそらく人類史上最も怠慢は時代を過ごしていると思います。そんな者がわざわざ利便性が悪いヴィーガンを選ぶ確率は低いと言えます。
社会環境



若者がヴィーガンになるきっかけはそれぞれですが、どんな社会に属しているか?どこに住んでいるか?なども大きな要因です。
先ほど申し上げた通り、切羽詰まった生活を送っていては、そもそも自信の健康を見直す時間はありません。仮に健康に対する意識があったとしても、金銭面や家庭環境から実践することは難しいでしょう。
そして若者がヴィーガンになるかどうかは、住む場所によって大きく左右されることでしょう。
例えば、地元にヴィーガンレストランがなかったり、ヴィーガン対応の食品が売っているスーパーがなかったりすれば「ヴィーガンはSNSやYouTube上だけの話」になる可能性もあります。
極論を突きつけ毎日、精進料理や野菜、豆腐を食べればヴィーガン食は難しくありません。
でもここでお話ししていることは、若者にヴィーガンが少ない原因ですので、なる前からこのような食生活を押し付けていては誰も移行する気になりません。
職場、学校
日本社会には「年功序列」が根深く残っています。
そのため若者は目上の方を敬う気持ちから、自分の気持ちや考えを正直に伝えられないと言う人が多くいます。
そんな彼らは当然、先輩に食事に誘われた時でも「実はヴィーガンなんです」と言えないことがあります。もちろん上司との関係性によって言える場面もあるでしょう。
しかし、これが接待や営業先との交渉場面で配膳された時に「実はヴィーガンなんです」って今言っても大丈夫かな?とか
これを言ったことでビジネスや商談が上手くまとまらないのでは?とか考えてしまいヴィーガンになれない人もいます。
しかしビジネスや人付き合いがうまくいかない原因は「ヴィーガン」ではありません。
あなたの実力不足です。
このような問題は、きっと学校でもあるでしょう。
例えばサークルや打ち上げなどに参加しても、自分だけ楽しめないのではないか?と不安からヴィーガンになることを躊躇している人も多くいるはずです。
僕は皆さんとは全く真逆で、どんな状況にいてもヴィーガンであることは相手に必ず伝えます。
人付き合いやビジネスそして、お金や権力、暴力で僕がヴィーガンでなくなることはありません。
それで去っていくような人を追いかけたいとも思いません。
まとめ
今回は日本の若者にヴィーガンが少ない理由について4つの要因から色々ご説明してきました。
- 家庭環境
- 健康面
- 利便性
- 社会環境
家族の中にヴィーガンがいなくてヴィーガンになりたいけど、家族と住んでいる以上は自分のわがままを我慢して、1人暮らしを始めたらヴィーガンになろう!
と決心しても現実は難しいことがお分かりいただけたと思います。
そして断言できることは今の日本社会は決してヴィーガンフレンドリーではないことです。
例えば、政府公認のヴィーガン認証マークがなかったり、ヴィーガン対応のお店探すのに苦労したり、そもそも日本のヴィーガン人口がものすごく少なかったりして、ヴィーガンになるきっかけが少ないようです。
ヴィーガンになるきっかけについては健康のところでもお話ししました。若者の健康年齢と出産年齢はどちらも30歳を上回っており、健康な食生活をさせてあげたいと思う相手がいません。
また自分の家族も健康にすごしていると、健康について考えるきっかけもありません。
我々、Z世代はデジタルネイティブでネットとスマホを難なく使いこなせるにも関わらず、他年代に比べてヴィーガン率は低いです。それは団塊世代と比べ人口が少ないことも要因ではありますが、それはあまり関係ありません。
では、ヴィーガンになる若者とそうでない若者の違いは一体なんなのでしょうか?
それは「変化」を恐れるかどうかです。
ヴィーガンになるとこれまで信じていた事、親が言っていた事、学校で習った事など全て嘘だったのか!と皆が思ったはずです。
それらを受け止めることが出来れば、ヴィーガンになる可能性はかなり上がります。
だから僕はヴィーガンになる人はオープンマインドな人だと思います。
ではどうしたらオープンマインドになれるのか?については僕のPodcastを聴いてみてください。
それではまた。
コメント
Thanks