先日、ヴィーガン歴15年の方にお会いする機会がありました。そこで僕がずっと疑問に思っていたことを解答していただきましたので、今日はそれをシェアしたいと思います。
僕の疑問というのは「廃棄される食材(動物性を含む物)」についてです。
読者の皆さんはご存知かも知れませんが、僕は以前に千葉県の勝浦市と言うところにあるホテルで働いていました。そこでは、繁忙期になると毎日朝と夜にブッフェが開催されます。
そしてお客さんが食べ残したモノは当然捨てられ、一口も触れていないお料理も捨てられます。
これは明らかに環境に悪いですよね?
過剰に料理を作り、残りはゴミ箱へ。
この問題の解決方法はあるのでしょうか?
僕は食品ロスを減らし地球環境を守りたい。でも動物由来の食材を含むモノは食べることができない。
ヴィーガンならではの葛藤

僕がヴィーガンになった理由は3つあります。
- 環境問題の解決
- 種差別をしない
- 健康のため
以上と通り僕は環境問題を解決するためにヴィーガンになりました。しかしこれまで仕事をしてきた現場は、エコフレンドリーでなければ当然、ヴィーガンフレンドリーでもありませんでした。
だから目の前で大量に捨てられる食品を見て悲しい気持ちになりました。
この廃棄される食材を少しでも減らために、僕が食べることで環境問題が改善されるならという思いで乳製品や卵を含む食材を持って帰ったことはあります。
でも流石にお肉やお魚は持ち帰ることができませんでした。どうしてもそれを食べる自分を想像すると気分が悪くなるからです。
だから僕は時々ベジタリアンだったとも言えます。しかし数回乳製品や卵を口にしたからと言ってヴィーガンでなくなる訳ではありませんし、僕の中ではベジタリアンではないと信じていました。
本当はこのことについてヴィーガンや専門家の方と意見交換をしたり、何か教えて頂きたかったのですが、気軽に相談できる相手がいませんでした。
しかし冒頭でもお伝えしましたが、ヴィーガン歴15年の方にこのことを相談する機会を先日頂きました。そして素晴らしい回答が返ってきました。
ここで僕の質問をもう一度おさらいします。



自然を守るためにヴィーガンになったのですが、目の前で廃棄されていく食材を見過ごすことができないんです。だからレストランなどで廃棄される食品を食べてもいいんでしょうか?



それでいいですよ!
「それでいいですよ!」っと即答されました。僕はその瞬間に「何かとても小さなことを気にしていた」なと感じました。
普段から僕は型にはまらない生活を意識していた僕が”ヴィーガン”という方にハマろうしていたなと気付かされました。だから僕は完全に、ヴィーガンになった当初の理由を見失っていました。
この世に完璧なヴィーガン/ベジタリアンは存在しません。また完璧な人など1人もいません。
だから何か型にハマろうとするのではなく、そこにハマらない明確な理由を持つ方が大事だなと気付かされました。
つまり僕は本質を見失っていたのです。【ヴィーガンはこうあるべきだ!】っと勝手に思い込んで葛藤を繰り返していたのです。
こんな小さなことに気を取られるのではなくヴィーガンになった理由を思い出し、そこから外れななければ良いのです。
だからと言って動物性食品を食べる訳ではありません。でも生きていれば予期せぬことはたくさん起こります。
例えば、動物性のモノ含むお見上げを頂いたときです。その場合は初回だけは受け取ります。
そしてその場で感謝の意をしっかりとお伝えして、僕がヴィーガンの知識をそのお相手と共有し、今後このようなことが起こらないようにします。
それが終われば、先ほどいただいたお見上げを誰かにプレゼントします。
もしもらってくれる人が見つからず、それをただただ廃棄することは、僕が掲げている環境を守ることに反しているため仕方なくいただくかも知れません。
※ただしベジタリアン対応のモノに限る。
廃棄される食品



僕は学生の頃、居酒屋、レストラン、コストコ、スーパーなどでバイトした経験があります。そこでは毎日えげつない量の食品が平気で廃棄されていきます。
このような現場で毎日働いていると、もちろん感覚が麻痺してきます。忙しく過酷な労働環境では、そもそも「食品ロス」と言う言葉が存在しないかも知れません。
食品ロスが発生する原因は単純で、お店は利益を追求するからです。
もちろん家賃・光熱費・社員の給料・取引先の利益などを考えるとそうしないと生きていけません。しかしそのやり方は工夫できます。
そもそもロスというのは過剰に食品を作っているということです。そしてその工程全てが無駄で環境に与える負荷は重大です。
捨てられる食品を焼却することでCO2が大量に放出され、さまざまな気候変動を巻き起こしています。
でも中には食品ロスに取り組む会社もあります。その会社が行っていることは「廃棄される食品」をリサイクルして豚の餌を作っています。
「ん???」
これはいいことなんでしょうか?
そもそもなぜ豚は一度、廃棄された食品をごちゃ混ぜにした餌を食べないといけないのでしょうか?
あなたは食べられますか?きっと食べれないと思います。
家畜だから豚だから、犬だからと言ってなんでも与えればいい訳ではありません。
こんなところで種差別をしてはいけないのです。
豚は残飯係でもなんでもありません。彼らには彼らに適した食べ物があります。
廃棄される食材をリサイクルして「いいこと」をしていると誇らしげにしている人はそもそも食品ロスの根本を理解できていません。所詮これも彼らにとっては「おいしい」商売なのでしょう。
解決方法



食品ロスを減らす活動は簡単ではありません。しかし私たちにできることはもちろんあります。
それは食べ残しを出さないことです。そしてこの活動に環境省なども取り組んでいます。
だから実は、私たちが知らないところで食品ロスに取り組む活動は盛んに行われています。
そのような活動を広めることも僕の勤めだと勝手に感じていますので、今日は3つの取り組みをご紹介します。
- mottECO
- TABETE
- 瞬間冷凍・特殊冷凍
日本では食べ残しを持ち帰る文化はありませんが、欧米諸国ではよく見られる光景です。店員さんにお持ち帰り用の箱をいただけますか?と聞けばすぐに持ってきてくれます。
実際に僕もロサンゼルスとニュージーランドにいる時にもらったことがあります。
一方日本では食べ残しを持ち帰ること自体は、法律上OKなそうですが店側のリスクを考えると難しいようです。
やはりお客さんが自己責任であることを理解していたとしても、それが風の噂でどのように伝わるか分かりません。そしてもし食中毒などで死亡事故が発生するとその責任はどうなるでしょうか?
このようなこともあり、食べ残しの持ち帰りを許可することは難しそうです。
ですが環境省がこの問題に取り組みmottECOというサービスを始めました。そしてこのサービスは今デニーズと手を組み、食品ロスに取り組んでいます。
また他にもTABETEというサービスがあります。
このアプリに店側は今日廃棄される商品を登録して定価よりかなり安く売り出します。そしてそれを見たユーザーはクレジットカードでお支払いを済ませて、店に取りに行くだけで終わりです。
こうすることで食品ロスを削減でき、店側は利益を得ることができます。そしてユーザー側も商品を安く購入できますからWIN-WINの関係にあります。
最後は特殊冷凍技術を用いて食品ロスを減らす方法です。瞬間冷凍することで食品の細胞を壊すことなく冷凍することができ、解凍した時も冷凍する前と同等の鮮度を維持できます。
この技術のおかげで、当日廃棄をかなり減らせるということです。
以下にそれぞれのURLを貼っておきます。
mottECO








TABETE
TABETEはまだおいしく安全に食べられるのに、店頭では売り切るのが難しい食事を「レスキュー(購入)」できる【フードシェアリングサービス】です。
つくりすぎてしまったパンやお惣菜、予約のキャンセルが出てしまった食事、食材の端材でつくったオリジナル商品など、様々なおいしい食事が出品されています。
「食品ロス」の削減に楽しく貢献できる、エコなサービスです。
引用 https://tabete.me




瞬間冷凍・特殊冷凍




ヴィーガニズムと食品ロス



環境問題を解決したい!種差別をしたくない!と思ってヴィーガンになる人がほとんどだと思います。しかし職場やスーパー、コンビニではその考えと真逆のことが起こっています。
当たり前に廃棄される新品のお弁当、惣菜、野菜は増していくばかりで、個人が活動したところで何も変わらないと思いヴィーガン/ベジタリアンを挫折する気持ちはすごく分かります。
目の前で大量に廃棄される食品を見て「どうせなら持って帰えろうかな」となりますが、そこには動物由来の物が含まれていてどうしようもありません。
しかしこの考えは完全に型にはまった考え方であり、本質を見失った見方でもあります。
でもこれでいいのです。
この世には完璧なヴィーガン/ベジタリアンは存在しません。
だからこそ、自分の考えや行動をどう説明するかが大切になります。
さずがに何の考えも持たずにヴィーガンと名乗ることはできませんし、それが続くとは思えません。
それならばヴィーガンでなくても、確固たる意思と行動があるだけで十分です。
環境問題に取り組む環境省で働く人たちは、畜産業が地球温暖化の原因であることは知っていながらも会食でお肉を食べています。
だからどの面でどのように環境問題、食品ロスと向き合うかが重要なのです。
ヴィーガンでなくても環境に配慮した暮らしは可能です。
実際に僕はバイク、車、飛行機などのCO2を大量に放出する乗り物にだって乗ります。
でもそこには決してブレない考えがあります。
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