ベジタリアン、ヴィーガンが必ず聞かれる質問がある。
「肉、魚、卵を食べなかったらタンパク質はどうしてるの?」
「植物も動物と同じように生きているじゃないか!」
「牛乳を飲まなければカルシウムは何から摂取してるの?」
「鉄分、ビタミンB12はどこから摂取してるの?」
本日は、世間がベジタリアン、ヴィーガンに対して誤解していること、よく質問されることについて解説していく。
タンパク質はどこから?

「肉、魚、卵を食べなかったらタンパク質はどうしてるの?」
A. タンパク質は動物性の物以外から摂取している。
タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されていて、全ての食材に含まれている。そしてタンパク質は生物の構成成分であり、食材以外にも私たちの皮膚、毛、爪などにも含まれている。
必須アミノ酸は動物性食材だけに含まれているのはなく、植物性にも含まれている。だから動物性のタンパク質(肉、魚、卵)を一切摂取しなくても人は生きていける。さらに同じ量のタンパク質を摂取した時、植物性タンパク質の方が体の吸収率が高いことが研究で明らかになっている。
植物も生きているじゃないか!
「植物も動物と同じように生きているじゃないか!」
と言われる。しかしここで大切なのは命ではなく、痛みや苦しみを感じるかどうか。
動物は自分の身を守るために痛みを感じるメカニズムを持つが、植物は持たない。もし動物が痛みを感じなければすぐに命を落とすはずだ。痛みは「これ以上やるとキケン」と教えてくれるサインだから。
植物は動物みたいに動くことができないから、身を守るため痛みを感じるメカニズムを持たないように進化してきた。だから植物は意識、神経、脳、感情などは持っていない。
植物の気分を体験
私たち人間が植物の気分を味わうことができる方法が一つある。それは髪や爪を切る時。爪を何回切っても痛みを感じることはないが、深く切りすぎて身を一緒に切った時は痛みを感じる。「これ以上切るな!」と教えてくれている。もし痛みを感じず切り続ければ命を落とすだろう。
カルシウムはどうするの?
ヴィーガン/ オボベジタリアンは牛乳を飲まない。だからこんな質問をされる。
「牛乳を飲まなければカルシウムは何から摂取してるの?」
- ブロッコリー
- かぼちゃ
- にんじん
- さつまいも
- グリーンリーフ
- プラントミルク
- オレンジジュース
- 豆類
- タネ類
などからカルシウムは摂取することができる。
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を一切摂取しなくても、カルシウム不足に悩まさせることはない。さらにさらに、牛乳のカルシウム吸収率は32%で、ブロッコリーの吸収率は51%を超える。芽キャベツであれば63%を超える。そしてどのリサーチペーパー、論文を探してもヴィーガンになるとカルシウム不足になるとは報告されていない。
つまりタンパク質のところでもお伝えした通り、動物性の栄養素よりも植物性の栄養素の方が吸収率が高いことがここでも明らかだ。
鉄分、ビタミンB12はどこから?
「鉄分、ビタミンB12はどこから摂取してるの?」
これに対する回答もタンパク質、カルシウム同様
植物や海藻からたくさん摂取して吸収率も動物性のモノよりも高い。そしてヴィーガンになると鉄分不足、ビタミンB12不足になる可能性は0ではないが、満遍なく食べていれば悩むことはない。
B12に関して言えば、菜食、肉食に関わらず現代人のほとんどが不足していると言われている。
元々は土が付着した野菜を食べることでB12摂取できたが、現在は農薬の大量使用や工場内生産などでB12を摂取することが難しくなった。
さらに家畜達もB12不足に悩まされている。自然界では草を食べるときに少量の土も一緒に食べることでB12も摂取できた。しかし工場式酪農で与えられているエサ(大豆、とうもろこし)を育てる畑には大量の農薬がばら撒かれている。こんな環境では微生物は生きられない。
もしビタミンB12欠乏症が不安であれば、サプリなどで補うことができるから心配しなくていい。
※B 12とは土の中にいる微生物が作る水溶性のビタミンである。
最後に
ヴィーガン、菜食を中心とした食生活に世間の注目は高まり続けている。そんな中で世間の菜食やヴィーガンに対する理解、認識は依然として低い。だからされる質問に答えた。
「肉、魚、卵を食べなかったらタンパク質はどうしてるの?」
「牛乳を飲まなければカルシウムは何から摂取してるの?」
「鉄分、ビタミンB12はどこから摂取してるの?」
これら回答はこうだ。
植物性の栄養素を摂取していて健康に悩まさせることはなく、吸収率も動物性の物に比べて植物性の方が遥かに高いことが研究で明らかになっている。B12に関しては、菜食・肉食に関わらず現代人のほとんどが不足していると言われている。
またこんなことも言われる。
「植物も動物と同じように生きているじゃないか!」
ここで重要なのは痛み、苦しみを与えてまでして命をいただく必要があるかどうか。植物は脳、神経を持たないから痛みや苦しみを感じないが動物は脳と神経を持つため痛みを感じる。さらに痛みというのは、命を守るためにキケンを知らせるサイン。植物は自ら動くことができないから痛みを感じるメカニズムを持たずに進化してきた。採取されるときに切られたり、土から引き上げられたりしても、痛みを感じないから植物は食べてもいい。
植物にとって食べられること=命のキケンではない
植物は痛みを感じるとタイトルに書かれた記事を見たことがあるが、その内容にはそんなことは書いていない。実際のところは読者を集めるための釣りだったのだ。偉い植物学者、生物学者などが植物は痛みを感じないを正式に論文で発表している。だからタイトルだけでは判断してはいけない。
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